2009/12/29

新・プラットフォーム思考、京様式経営


平野 敦士 カール
朝日新聞出版
発売日:2009-12-18

クラウドコンピューティングとしてのサービスによって、全てがオンプレミスである必要がなくなったように。
身のまわりで ”モノを提供(所有)する形からサービスとして提供(享受)する形” への移行が感じられる今日、明らかにITの分野では目に見える形になってきている。大きなことを言えば、産業構造が変化しつつあると言っても言い過ぎではないと思う。

クルマもその例外ではなく、モノとしてのクルマは無料になる日がくるかもね、そんな時代に必要なのが「新プラットフォーム思考」、というところから本書はスタート。おサイフケータイでの成功事例体験を元に、戦略としてのプラットフォーム、そのプラットフォームを創造するための行動原則がまとめられている。

タイトルや表紙、帯コメントは(残念ながら)個人的趣味にあわないけれど、考え方には共感する部分が多数。以下、3点がチェックポイント。
■プラットフォーム創造フレームワークの考え方 P51-63
  1. 社会の変化、規制緩和という大きな流れをとらえて不満を探す
  2. ターゲットとなるグル−プを特定する
  3. プラットフォーム上のグループが活発に交流する仕組みを作る
  4. キラーコンテンツを用意する
  5. 価格戦略をたてる
  6. 価格以外の魅力をグループに提供する
  7. プラットフォーム上のルールを決めて管理する
■プラットフォーム戦略=複数の関係するグループを「場」あるいは「舞台」に載せることで、外部ネットワーク効果を生み出し、一企業という枠を超えて、新しい事業のエコシステム(生態系)を作りだす P31
■新・プラットフォーム思考リーダ像=他人の価値観や考え方を受容し、他社の社員や自社の上司、部下など、周囲の多くの人を巻き込んでいくことで、自分が持てる力の何十倍もの成果を上げ、プラットフォームを成功に導いていく  P73
非常に読みやすい文章であり、行動原則も具体的。ざっと目を通して拾い読みでもOK。

ネットワークの外部性について、もっと詳しく知りたいという場合は、若干古いけれど以下本がお薦め。MicrosoftとSunの争いからオープンである事の重要性と、それを地理的・戦略的に上手く取り入れている京都周辺企業をまとめている良書。

上記2つの本読むと、microsoft, google, twitter, mixi, facebook, amazonなどの企業やサイトを見る目と、世の中にあるサービスの捉え方が変わるかもしれません。




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