2011/01/02

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今、空港に向かう成田エクスプレスと空港ラウンジで書いています。

2010年10月に決定してから約2ヶ月間、ビザ申請や引越し準備、社内手続き、1ヶ月に及ぶ海外研修を経て、今日2011年1月2日、米国赴任の日を迎えた。

今日を迎えるにあたり、本当にたくさんの方々にお世話になった。

赴任事務手続き支援をしてくれた現地上長、現地勤労メンバ。
ビザ取得と社内手続きを支援してくれた、日本の勤労メンバと代理店担当者(トラブルはいろいろあったけれど)。
プロジェクトを抜けるにあたって、引き継ぎを行ったプロジェクトメンバたち。
赴任に先立って、良い助走期間となった、Global IT Project Management Courseのコーディネータ及び、一緒に参加したメンバたち。
壮行会を開いてくれたり、激励メールをくれた、今までお世話になった職場メンバ。

挨拶のメール送信先をリストアップするたびに、関わりのあったプロジェクトやイベントを想起し、また年末という事もあって納会でフロアを回って直接挨拶させて頂くたび、いままでいろいろな方に支えられて仕事をしていた事を再認識していた。

忘れてはならないのが、現地上長家族の方々。私の家族が気になりそうな点をいろいろお教え下さり、ありがとうございました。おかげさまで、現地生活の立ち上げがスムーズになりそうです。

そして、最後になるけれど、最大の功労者、妻。
赴任が決定してから今に至るまで、赴任/引越し準備と日常生活、特に育児との両立は苦労をかけたと思う。全てが一歩先に手配されていたので、その完璧さに安住して家庭の事を任せっきりになっていた点は大いに反省すべきではあるけれど、あなたがパートナーであったからこそ、一家の一大プロジェクトは、成功に向かって確実に歩みを進めています。


期間は2〜3年と短いけれど、
場所はサンフランシスコという恵まれた環境ではあるけれど、
向こうに行ってからも生活立ち上げが待っているけれど、
日本と同様、米国でも仕事の成果は出さなくてはならないけれど、

ひとまず、赴任の今日を迎えられた事に感謝!


2010/08/13

What I wish I knew When I was 20.

ティナ・シーリグ
阪急コミュニケーションズ
発売日:2010-03-10

数ヶ月前から本屋で平積み & ランキング上位になっていたものの、タイトルと帯コメントから受ける印象が「いわゆるベタな自己啓発本」的で敬遠していた。

*帯には「いくつになっても人生は変えられる」「この世界に自分の居場所をつくるために必要なこと」と書かれているのです。。。

が、ふとしたタイミングで立ち読みしたら、良い意味で裏切られたので購入。一気に読めたし、久しぶりに付箋たくさん付けることになった。

著者は、スタンフォードでアントレプレナーセンターのディレクター職にある Tina Seelig。全編に渡って「価値創造のマインド」「既存枠を一歩踏み出す有意性」などが語られる。これらは起業家には特に必要とされる考え方ではあるが、しかし決して起業家だけに求められることを述べている訳ではない。言葉にすることで安っぽく聞こえる事を恐れず言えば、「自己にとっての充実した人生」を実現するために必要な事が述べられている。

*あれ、感想が帯コメントに似てきた・・・

全体的に”元気になる”文章であり、自分が将来、何か新しいことへチャレンジする前に読み返したい。中でも、以下の一文は意思決定に迷ったとき、自分に問いかける言葉として残しておきたい。
判断に迷ったときは、将来そのときのことをどう話したいかを考えれば良い。将来、胸を張ってはなせるように、いま物語を紡ぐのです。 P167 

この他にも、付箋つけたところは以下。なお、マークした箇所の半分くらいはTina自身の言葉ではなく、実際の起業家たちの言葉やエピソード。スタンフォードの地理的・経済的特性から、ベンチャー魂にまつわる話題には事欠かない。
社会に出たら、有能な教師が道を示してくれるわけではないのだから、君たちはできの悪い教師の授業を取りなさい P22

特徴がはっきりしたニーズこそ、発明の素 P32
ニーズを掘り起こすのに必要なのは、世の中のギャップを見つけ、それを埋める事 P34

起業家精神とは、世の中にはチャンスが転がっていると見る事 P41
カネを稼ぐよりも、意義を見つける方がいい P41

出来るだけ大きく考える。小さな目標を決めるよりも、大きな目標を掲げた方が楽な事が多い P47
マイクロソフトのような企業が導入しているビジネスプロセスには拡張性があります。つまり、組織横断的な大きなグループで作業をするようになっています。 ですが、拡張可能なプロセスは、必ずしも効率的ではありません。火急の問題があり、突貫工事が必要な時、官僚制を打ち破らなくてはならない。通常の業務と は切り離して、特別チームを編成し、ルールを破る事を認め、自由な発想や働き方を認めているのです。 P62
ルールを1000個学んだ人と、やってはならない事を3つ学んで後は自分次第という人 P64

誰かがチャンスをくれるのを待つのではなく、自分でつかみに行った方が良い面がたくさんあります P72

リーダーになろうと思ったら、リーダーとしての役割を引き受けることです。ただ自分に許可を与えればいいのです。組織の中に穴がないか探す。自分が欲しいものを求める。自分のスキルと経験を活かせる方法を見つける。いち早く動こうとする。過去の実績を乗り越える。チャンスはつねにあり、見つけられるのを待っています。誰かに声をかけられるのを待ちながら、慎重に様子を見るのではなく、チャンスはつかみにいくものです。がむしゃらに働かなければならないし、エネルギーも使います。意欲も必要です。でも、これこそがリーダーをリーダーたらしめている資質であり、指示待ちの一般人とは違っているところなのです。 P86

バカな失敗ではなく、賢い失敗を評価すべきなのだ。クリエイティブな組織をつくりたいのであれば、何もしないことは最悪の類いの失敗だ。想像力は行動から生まれる。何もしなければ何も生まれない。 P110

情熱とスキルと市場が重なり合うところ、それがスウィートスポットだ。 P121

生きることの達人は、仕事と遊び、労働と余暇、心と体、教育と娯楽、愛と宗教の区別をつけない。何をやるにしろ、その道で卓越していることを目指す。仕事か遊びかは周りが決めてくれる。当人にとっては、つねに仕事であり遊びでもあるのだ。 P122

自分のキャリアは、フロントガラスではなくバックミラーで見ると辻褄が合っている。 P131

P169〜の交渉力の話

もっとも優秀な人間(矢)を選んで、その人が得意なことに近い仕事(=的)をつくる。 P180

賢明な人たちが陥りがちな落とし穴。「正しい行為」ではなく「賢明な行為」を正当化する。 P181

競争が好きなのと目標達成の意欲が強いのとでは、大きな違いがある。競争好きとは、ゼロサムゲームの中で誰かの犠牲と引き換えに成功することを意味します。これに対し、目標達成の意欲が強い人は、自分自身の情熱を掻き立てて事をおこすのです。P197

後半、正義の話が出てきて、米国大学講義本つながりだが、これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学に関連する話題があるのも面白い。

2010/08/08

ヴァンクライバーン 国際ピアノコンクール  吉原真里

吉原 真里
アルテスパブリッシング
発売日:2010-06-25

テキサスの真ん中、西部の始まりの街フォートワースで4年に一度行われる国際ピアノコンクールを追ったドキュメント。ニュースでも報道されていた通り、2009年は辻井さんとハオチェン・チャンの優勝(*)で幕を閉じたわけだけど、本書は「日本人初優勝」という話題ありきの企画もの取材ではないため、中身が濃い。
  1. 地域コミュニティとアートイベントのパッケージ手法
  2. 主催者・出場者などへのインタビューが充実

■地域コミュニティとアートイベントのパッケージ手法
フォートワースは元々、ウエスタンなカウボーイの街。場所はこんな位置。

大きな地図で見る
 元々ピアノとは全く無関係のこの地で、何故これほどまでの国際的なピアノコンクールが成功しているかが、この本を読むと良く分かる。賞金の多さやファイナリストに与えられるマネージメント契約、世界各地でのリサイタル権も一つの要素であるけれど、最大の要素は、地元コミュニティとの繋がりである。
近年(というかいつの時代にも)、アートを地域振興のツールにしようという向きがあって、日本でも直島のように成功例も出てきているが、ここでもおじいちゃん・おばあちゃんをはじめとした、地元民が積極的にコミットしていると聞く(おにぎり作ったり、来訪者を案内したり)。
フォートワースも、コンクールは3週間に渡って行われるが、その間、出場者とその家族は、地元のホストファミリーの家にステイする事が決まりとなっている。自ずと市民も「自分たちのイベント」という意識が働くから、ホストファミリーにはなれずとも、コンクールのボランティアが1200人(!)も参加しているとの事。
その他にも、地域のイベントとして活性化させるための苦労が記述されており、地域振興のケーススタディとしても興味深く読める。

■主催者・出場者などへのインタビューが充実
クライバーン財団のプログラム監督や、コンクールの審査員、出場者とそのマネージャなど、幅広くインタビューしていて、コンクールの背景や思想、出場者がどのような思いを持っているか等があぶりだされている。
その中でも、とても19歳(2009年時点)とは思えない、ハオチェン・チャンの受け答えがすばらしい。自分の生い立ちからピアニストとしての考え方、曲や他の演奏者に対する意見など、主観と客観のバランス感覚が秀逸。



最後に、審査員に配布されるというハンドブックの序文を引用。コンクールや財団が目指す方向性が明確に示されていて気持ちがいい。
審査員は、コンクールでの演奏中、音楽製、様式的整合性、音楽的高潔性、作曲家の意図の理解、形式的整合性、音色についての感性、個性、創造的イマジネーションなどといった、明らかに考慮すべき点に注意を払うようお願いします。
しかし、それと同時に、審査員は、内なる耳ーそれは、心、または魂と呼ぶべきでしょうかーをもって演奏を聴いてください。つまり、音程やリズム、音量等といったことを超えた(中略)われわれの感情をあふれさせ、われわれの価値観を育んでくれるようなもの、それこそに耳を傾けてほしいのです。
各回のコンクールで真の芸術家を発見できるということは必ずしも想定できませんが、いつの日か真の芸術家になるであろう人物を見きわめることはできるでしょう。審査員は、そうした、偉大なる芸術家としての資質を備え、コンクールによっていくつかの扉を開けられるための準備ができている、非常に特別な音楽家たちを見つけるべく、耳を傾けてください。
忘れてはならないのは、ヴァン・クライバーン財団の機能は、「スター」を発見することではなく、われわれの支援を受けるにふさわしい音楽家に機会を与えることだということです。
審査員は、誰かにとても強力な助けの手を差しのべることが出来る、とても特別な立場にあるのです。これは重大な責任であると同時に、審査員に大きな喜びと満足感をもたらすものであると信じています。P76

2010/07/20

iPadに興味を示した人々

発売日に衝動買いしてから、もっぱら家の中で利用するばかりのiPadですが、思わぬ"おふたかた"に好評を得ている。それは、1)義理の母親 と 2)1〜2歳の子供。

1)義理の母親
妻の出産に合わせて我が家に滞在しているのですが、
  • コードが無い(=家の中持ち歩きに便利)
  • PC起動しなくて良い(=人に頼まないでも自分で検索できる)
  • レシピ集に感激
  • 使い方が簡単(=押すところがある程度限定されている)
  • 数独アプリに感激(=紙と鉛筆が不要で間違えた際の修正容易性)
といった理由で、自宅でも購入を考えている程。
「使い方簡単」については、アプリが1画面に同時起動できるOSよりも、(裏ではマルチタスクで動くにしても)一度に表示される画面では1アプリを表示するiOSの方がユーザフレンドリーという証拠かな。でも、決してそれはiPhoneサイズではなく、大きい画面が必要である(=iPad)、とはアランケイのお言葉。実物見た後では、確かにね、と感じる。


2)1〜2歳の子供
今のところ100%の確率で「触って音が出るアプリ」に興味を示す。
JamPadPocket Pondがその最たるもの。JamPadは鍵盤アプリなので、興味持つ理由もわかりやすい。Pocket Pondは、その名の通り池をシミュレートしたアプリで、画面触ると”ちゃぽん”という音と共に、水面が揺れたり、泳いできた鯉が逃げたりする。
 ※水面ちゃぽんとした直後にiPadの裏側を見た子供が居た。これは、子供の性格に因るところが大きいかもしれないけど、物事の仕組み・仕掛けを知ろうとする純粋な行動だと感心。将来期待大。

ただし、というか当然のようにバシバシガシガシ耐久テストの如く使うので、G-SHOCK並みなタフさを備えるべく、強力ケースが必需品です。


というわけで、iPadの持つポテンシャルを再認識した今日この頃。

2010/07/14

雑誌スキャン(PDF化)と各種電子雑誌アプリを経験して

しばらく前に購入しましたが、評判通りの機能と効果。
「捨てるにはもったいないけど、保管スペースが・・・」だった雑誌類を裁断→スキャンしてPDF化しました。俗にいう”自炊”。両方合わせて7万強の出費ですが、雑誌が占有するスペース月額単価と比較した場合、回収期間法では数ヶ月でペイする計算(という正当化)。

プラス
発売日:2009-09-01

富士通
発売日:2009-02-07

1週間にわたって、100冊弱をPDF化したけど、断裁機の切れ味に惚れ惚れし、スキャンのスピードに驚嘆。スキャンのスピードに関しては、業務用の複合機よりも速い(と感じる)。

ただし、トータルな解決策としては、まだまだだと感じる点も。
それは、PDFの文字認識機能(OCR)。これは、上に挙げたハードというよりもソフトの問題。

当然ながら、PDF化した雑誌データは「そういえば、前に買った雑誌に○○の事が書いてあったな」程度な記憶をトリガーに、検索をしたい。そのためには、画像データとしてのPDFだと何の意味もなく、テキストデータ化しておく=OCR(Optical Character Recognition)ソフトを通す必要がある。

スキャナ添付のOCRを利用したけれど、まるで駄目、使い物にならない。確かに、今回は縦組横組が混在する雑誌であったというのも、OCRソフトには不利な点ではあると理解します。ただ、それを差し引いても、実用にはほど遠い。これが、文庫や新書のように、縦書き統一フォーマットだったら使えるかもしれない。

なので、雑誌データは今のところ、とりあえずPDF化しておいて、優れたOCRソフトが出てくる事を待ちます。

で、PDF化とビューンとWired電子版、GQやVOGUE等の電子本を経験した後に改めて感じた事。
「特定媒体に適した表現方法を、別媒体でシミュレートしても全然ダメ」という事。
記事や広告に関連した動画やwebにダイレクトリンク出来る事は、メリットの一つではあるが、それが電子本である必要性には直結しないと感じる。

一度紙媒体で読んだ雑誌のPDF化は、"読む"事ではなく、アーカイブや上記で述べた検索がメイン目的なのでアリ。初めて読む電子媒体雑誌が、紙と同じ編集の場合はナシ。

当然の事かもしれないですが、実体験を通じてそんな形が見えてきた。

プラスして、「保管スペースをとっても、やっぱり紙媒体のまま手元に置いておきたい」と思う雑誌は、そのまま本棚においてあります。AXIS、1997年位までのSwitch、STUDIO VIOCE、Esquire、アイデア、旅学などなど。

2010/07/11

L5 Remote


リビングにはTV、AVアンプ、PS3、エアコン、照明などなど、沢山のリモコン操作機器が溢れていて、その数だけリモコンがあって邪魔。

そんなときは、iPhoneやiPadを赤外線リモコンに返信させるこのアクセサリの出番。
http://www.l5remote.com/

以前から学習リモコン欲しいなぁと考えていたのですが、2010年初めにこの製品がアナウンスされてから待つ事数ヶ月。2010年5月くらいに入手。iPhone/iPad側にインストールするアプリはiTunesから無料で入手可だけど、肝心の信号授受する部分が有料(50US$、送料15US$)。

利用するまでの手順としては、

  1. iTunes app storeからアプリダウンロード
  2. リモコン画面のデザイン
  3.  L5 Remoteの装着
  4. リモコン信号の読み込み

といった感じで至って簡単。↓の動画見るとよくわかります。


L5のサイトでは、 iPhone4未対応のように見えますが、使ってみたところ正常に稼働(ただし自己責任で)。

目下の悩みは、 解約した iPhone3GSをこれ専用にするのはハードリッチすぎるなぁ、という点。iPod Touchの中古でも買おうかと検討中。

しかし、 iPhoneやiPadのハード面、 iTunes app storeでのソフト面の両方が充実した事によって、明らかに便利になっている。個人的には Lemurや学習リモコンは購入前にiPad/iPhoneに流れ、tenorionは手放そうか検討中だし。Appleへの支払額が順調に増加中です。


2010/06/21

日本人へ - 塩野七生

塩野 七生
文藝春秋
発売日:2010-05-19

塩野 七生
文藝春秋
発売日:2010-06-17

どちらの本も、月刊文藝春秋に連載されていたもの文庫化だが、塩野七生の、日本人としてのアイデンティティと日本に対する愛を感じる良書。
政治に関わる話が多いが、”芯を持った文章”に惚れ惚れした。

話題は、ローマ帝国が長期にわたり繁栄を持続した大きな理由の一つである敗者同化路線の合理性説明や、「戦死者」と「犠牲者」の違い、外交に対する視点・スタンス、一神教と多神教、ファッション・買い物の意義、ひいては皇室まで幅広い。

広くはあるのだけれど、異文化対応、人心掌握、相対的自己認識としての日本を、マキャベッリやカエサルの言葉を引きながら、歴史解釈を交えながら、自己の意見をズバッと言い切る。


ただし、あまりにも切れ味鋭いので、誤解や嫉妬を受けて敵も多そうだな、とも感じる。なかなか真似できない。いや、しようと思っても、史実の解釈と現代の事象とを、ここまで上手にリンケージしてコラム化出来る人は、ほとんど居ないに違いない。


こんな人が書いているんだったら、10年ほど前挫折した「ローマ人の物語第1巻」に、もう一度チャレンジしてみようかという気になる。

全体的には、リーダー篇の方が面白く読めた。

なぜか、危機の時代は、指導者が頻繁に変わる。首をすげ代えれば、危機も打開できるかと、人々は夢を見るのであろうか。だがこれは、夢であって現実ではない。 P40
魚は頭から腐る <->  下部構造が上部構造を決定する P119
当事者を参加させれば問題の解決も早くなる、などという、人間性に無知でしかも偽善的な考え P153
屈折した精神とはしばしば、飛躍の弊害になる P172
危機を打開するには、何をどうやるか、よりも、何をどう一貫してやりつづけるのか、のほうが重要です。打開策の効果はすぐには現れないもので、その間に巻き起こってくる不安や抗議には耳も貸さずにただひたすらやりつづけるしかないからです。それには堅固で持続する意思しかありません。P187
大衆は、問題点を具体的に示されたならば意外にも正しい判断を下す P193

ちなみに本文中、「育くむ」「新らしい」といった表記で統一されている。他にもあるかもしれないが、これらは普段あまり使わない送り仮名。変換辞書にも出てこないし、googleではご丁寧に”Did you mean:〜?”とご提案を受けます。

どんな意図があるのか。
旧送り仮名(なんてものがあるのか?)、語感と表記バランスをとった結果、正式な表記は実はこっち? などと想像を巡らせた。

本文中、何度も「自分はへそまがり」と自認されているので、この送り仮名もその影響かもしれませんが、こんな所も拘りを感じてしまうのは、文章の品が良いから、か。