2010/06/04

Accounting / Finance

もうかれこれ2ヶ月ほど前、会社の机に電話帳ほどの資料が届いた。
何かと思えば財務会計の研修資料。去年度末に申込みした事を思い出すが、時既に遅し。
仕事の合間に、山のような課題に追われて2ヶ月。やっと研修も終わり、解放された。

今までも、財務会計の研修はあったけれど、今回は有価証券報告書を分析し、その企業の抱えているだろうと思われる問題発見と、その解決策を提示する事がメインであったため、グループワークは非常に有意義。

ただ、講師がハズレ。
丸2日のうち、半日以上を各指標(ROE, ROA etc)の説明に費やし、研修受講者が在籍する会社の財務状況(自己資本比率低下など)も把握していない有様。学校の先生としてはOKかもしれないですが、企業研修の講師としては、人気出ないですよ。各指標の計算方法なんて、どの本読んでも書いてある訳だし。

今回は、当日グループワーク > 事前に読んだ本 > 講師の話 の順で今後の役に立つ。

「財務本財務3表一体理解法・分析法」の2冊は、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書のつながりを説明してくれる良本。まずは、この2冊をざっと読んで、さらに解説の図をコピーしてノートにでもまとめておけば、かなり使える。売れている理由がわかる気がした。








で、次にもうちょっと詳しくと思えば、下記2冊。
実際の有価証券報告書を使っていろいろ解説してくれる。決算書速読術は、上記”分析法”に近い感じ、一方「企業価値を創造する会計指標入門」は、ROE、売上高営業利益率、EBITDA、EVAなど、指標ごとに企業の実例を使っているので、若干詳細まで扱っている。中でも、終章の”会計指標の選択とポートフォリオ”は、指標ごとの特性と適合性がまとめられていて有益。


望月 実,花房 幸範
阪急コミュニケーションズ
発売日:2008-01-30

大津 広一
ダイヤモンド社
発売日:2005-09-29


人によって程度はあるけれど、財務や会計のプロになるのではなく、一般ビジネス知識として理解するレベルであれば、これくらいで良いのでは、と感じる。

また、今回EDINETを利用した。EDINETは、Electronic Disclosure for Investors' NETworkの略で、金融庁が運営している『金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム』。ここで、XBRL(XML形式での有価証券報告書)が提供されている。

これは非常に便利。分析したい複数企業を同じタグで集計すれば、PDFから数値入力する必要なし。今後、活用の幅は広がりそうな感じ(と言われつつ、広がっていないのが現実だけど)。


追記:
講師の話で腑に落ちた話が一つあった。

「投資判断基準で回収期間法が、1)日本企業で未だにメジャーな理由と、2)外資でも最近利用している分野がある理由」
  1. 戦後、カネ/モノがない時代。調達・製造・販売・回収のサイクルを早める必要があり、正味現在価値(NPV)などより、何より回収の期間を重視する必要があった為。それが現在まで続いてしまっている。
  2. 家電やPCなど、ライフサイクルが異様に短くなってきている製品に関しては、売上がたつ期間が短いため、回収期間法が適していると判断。

2 件のコメント:

  1. はじめまして。

    決算書速読術の著者の望月 実です。

    私の本がお役に立てたようで嬉しく思います。

    それでは、これからもよろしくお願いします。

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  2. モッチーさん
    コメントありがとうございます。わかりやすい文章と多数の事例で、今回の研修前に非常に役立ちました。課長の会計力 や 数字センスで8割 も実務に活かせる良書ですね! 今後のご活躍、期待しております。

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